アイドルと歌割り その3
モーニング娘。の声質
モーニング娘。の声質とマイクカラーは切っても切れない関係です。マイクカラーについてはまた詳しく書きたいと思います。
モーニング娘。は声質のバランスを重視して集められたメンバーから成るグループと言えます。卒業加入によりメンバーが変わっても、声質のバランスは崩れないように考えてグループ編成がなされています。
(ジャニーズはどうなのか、詳しいことは分からないですが、少なくともジャニーさんが選んで集めたメンバーに関しては歌声を重視してメンバーを選んでいると思います。)
現メンバー9〜11期の声質をみると
譜久村→柔らかで伸びやかな歌声。憂いや悲しみなどの感情をのせやすい声。溶け込む声であり、コーラス向け。
生田→光線ビーム型の歌声。音域が広い。
飯窪→高音が伸びやか。声の輪郭がくっきりしている。比較的光線型。
石田→未だによく分からないが、光線系ではなく、ふわっと弧を描くような歌い方の時がきれいに発声できている気がするので、小田の声質に近いのかもしれない。
佐藤→本来の声はマイナー調の曲に似合う声だが、陰を完全に消して陽に振り切ることもできる。切れ味の鋭い声。
小田→輪郭が細く、ふわっと優しく語りかけるような声。現メンバーの中でメジャー調の曲が最も似合う。
モーニング娘。の歌割り
基本的にセンターのメンバーに合った曲調の曲がシングルカットされることが多く、センターのメンバー及びその周辺の立ち位置のメンバーの歌割りが多いです。
レコーディングの段階では歌割りは決まっておらず、まず全員一曲丸ごとレコーディングして、それから歌割りを決めていくのが特徴です。ここがNEWSとの最大の違いです。歌割りは単純に歌唱レベルで決められるのではなく、声質の組み合わせや歌詞に合わせて歌う人が選ばれます。また、その時のメンバー構成、曲調により、ユニゾンの有無、ソロパートの有無、歌割りの偏り具合などは多岐に渡ります。16後半以降は歌割りが均等に分散される傾向にあります。
現在、センターが明確に打ち出されていない時期が続くというモーニング娘。的には珍しい時期にあたります。主要な歌割りは譜久村・小田・佐藤・(17はこれに工藤)になっています。その次に石田・野中、飯窪・生田という感じです。
最新アルバムでいくと、
マイナー調の花が咲く、太陽浴びては佐藤をメインに、メジャー調の五線譜のたすきでは小田をメインに持ってきています。譜久村はどちらも主要なラスサビを歌っていて、最近の曲のラスサビを担当することが多いです。声に感情がのるので、曲のクライマックスを演出しやすいのだと思います。
ふくちゃんは着実に課題を一つずつクリアし、レベルアップし続けているので、14以降ずっと安定して歌割りがある印象です。制作側からしたら使い勝手が良いといいますか…ですが、ここ最近はコーラス向けの歌声から脱却しつつあり、更にいろんな使い方ができるようになってきています。
さくらちゃんはグループでの歌唱に弱いという弱点があり、そこをクリアすれば更に歌割りが増えると思いますし、五線譜のたすきのような声質を存分に生かせる曲も増えてくると思います。
まーちゃんは陰陽どちらも両極端まで振り切れるという珍しい声質であり、これを生かせるように安定を図れれば良いのですが、起爆装置みたいな面白さもなくなって欲しくないので難しいところです。
モーニング娘。と声質、マイクカラー、歌割り、楽曲の方向性の関連については、また詳しく書きたいと思います。