やさしいおんがく

音楽とかあれこれ

青春小僧が泣いている

タイトルはモーニング娘。'15の58枚目のシングルです。正確にはトリプルA面のうちの1曲です。

是非MVのAnother Editionを見て欲しいです。なかなか癖のある作品です。

ここ数年の中で分岐点にあたるシングルだと私は思っています。

 

焦点としては恋愛ハンターから続くEDM路線を続けるか否か。

高橋愛センターから鞘師里保へバトンが受け渡される裏で2人を支えた田中れいなが抜けたことにより、道重の声質を最大限生かせるように'14ではかなりEDMに傾倒しました。(もちろん鞘師のダンススキルを生かすためもあったかもしれませんが)

道重卒業および12期加入により今後の方向性をどうするか、その命運をかけたトリプルA面になっています。

 

3曲はそれぞれカラーの違う曲で、

青春小僧は泣いている→EDMフォーメーション路線

夕暮れは雨上がり→EDM+楽器、路線的には時を超え宇宙を超えに近い

イマココカラ→久々の完全メジャー調の明るい曲

になっています。

'14は鞘師+道重に適した楽曲でした。

'15は鞘師の隣に並ぶメンバーを選考していた1年のような気がします。佐藤・小田・鈴木・工藤・石田が候補です。譜久村は歌割りは多いですが、リーダーとしての比重の方が重い気がします。誰をメインに置くかで曲調も変わっています。今聞き返すと、ユニゾンは鞘師・佐藤・鈴木が強いですね。次のシングルのOh! my wishで鈴木がセンターに選ばれるのも納得です。

 

青春小僧が泣いている、はタイトルはもちろん、歌詞もなかなかインパクトのある言葉の並びになっています。敢えて大和言葉をもってきて引っかかりを作ったりしています。

曲の展開・構成がかなり複雑で、はっきり言ってこの曲は歌って楽しむものではなく、見て楽しむ曲です。

また映像もかなり癖が強いです。なんとなーく怖い感じがする、ギミック満載のMVになっています。これを見た時に私はスピッツの渚と水色の街が頭の中に浮かびました。映像の構成、カット割り、明度を見るに外部委託したことは明らかですが、しっかりとメンバーのことを知ってから撮影に臨んでいるのがよく分かります。またここまで3作品とも新メンバーにスポットを当てることも珍しいです。見れば見るほど、調べれば調べるほど、いろいろとギミックが出てきます。あと、モーニング娘。には珍しい制服の衣装ですね。それも新鮮です。

 

何で今更このシングルにスポットを当てたのか不思議に思われるかもしれませんが、時間が経つと当時は分からなかった歌割りの構成や方針が見えてきたりするのです。そこに現在につながる何かヒントが隠されていたりするのです。そこがモーニング娘。の面白いところです。

あと、当時は曲の奇抜さに気を取られ、ギミックにまで目を向けれていなかったのが正直なところです。何でこんな大事な時にこんな変な曲をもってきたんだ!とあの時は思っていましたよ(笑)